ピースワンコ・プロジェクトが活動する広島県のある中国地方で保護される「殺処分」対象犬は、飼育放棄や多頭飼育崩壊で保護されたケースに加えて、その多くが野犬です(野良犬から繁殖した野犬も含みます)。ピースワンコに保護されてからスタッフが1頭1頭お世話をして人間の愛情を伝えています。
コミュニケーションや感情表現がちょっと個性的なワンちゃんですが、心が通じ合うととても可愛らしい表情を見せてくれ、素晴らしい関係をつくることができます。
ピースワンコに来たばかりの犬たちの多くは、人間を恐がり近づいてもくれません。はじめのうちは、おやつを与えたり、犬の方から近寄ってくれるのを根気よく待ちます。そのうち徐々に人間を安全だと捉え、触れさせてくれるようになります。
人に馴れてきたらお散歩トレーニングの開始です。はじめは静かな山道など、犬たちの落ち着ける環境からスタートし、徐々に賑やかな場所でのお散歩にチャレンジしていきます。
全ての保護犬に対しカルテを作成し、正確な管理を行っています。ピースワンコに来た犬たちは、まず検疫施設に数週間滞在し、獣医師によってフィラリア検査や混合ワクチンを接種し、マイクロチップを埋め込みます。
野良犬や野犬は、自然の中で生きてきました。あたりまえではありますが人間には馴れていないワンコがほとんどです。野生で染み付いた「警戒心」や「恐怖心」は簡単に消えるものではありませんが、ピースワンコでは、保護犬たちに「人間は怖くない存在」と感じてもらえるよう、日々根気よく向き合っています。
犬の寿命と聞いて、10~13年程度を思い浮かべる方は多いかと思います。しかし野犬たちは、食や医療など様々な面から管理不足により寿命が圧倒的に短く、2~3年という悲しい事実があります。
生い立ちや性格もあり、敏感で繊細な犬も多いです。
人に懐くまでには時間が必要な事もありますが、ピースワンコでは、犬の性格や状態に合ったお世話を心がけ、人に馴れた状態で譲渡活動を開始しています。
保護犬と暮らすようになると「馴れてくれないなぁ」と感じる事も多いと思います。ですが、それも彼らの個性だと思って受け止めてあげる事が大切です。彼らなりに頑張って新たな環境に馴染もうとしてくれていますので、気長に忍耐強く向き合ってみてください。心が通じ合うととても可愛らしい表情を見せてくれ、素晴らしい関係をつくることができます。